イロハニトイロ

vol.49-㉝ 支援者が障害を作っている!?

悪化するから良くなる(5)

以前にもお話ししましたが、僕は最近になって「愚行権(ぐこうけん)」という言葉を知りました

愚かな行いをする権利

素晴らしい言葉ですね

支援を受けている方々にもこの権利があるはずなのに支援者はそれを許さない

そんな愚かな行いをしてしまうと

「なんでそんなことしたの?」と責めるようなことを言ってしまう

(もちろん、厳しい言葉は使いませんが口調や表情から責めのメッセージが出てしまっています)

そして「私はこう言ったのに」と自分(支援者)は悪くないを表現してしまう

支援者という存在はいったいなんなんでしょうね(笑)

僕だってこれまで、借金作るくらいにギャンブルにのめりこんだり、

女性関係でも若い時にはたくさんの恥ずかしいことをしてきました

仕事も6個も変わっているし後輩にひどいことをしてしまったし、上司にもひどい態度だった

多くの友人も傷つけてしまったし、家族も傷つけてきた

自分の子どもにも虐待をしてしまった

もう、愚かな行いだらけです

でもでもそれらすべてが今の僕につながっています

そんな経験をした自分だから間違いや失敗をしている人を受け入れられるようになりました

「愚かな行いをたくさんしよう!」と言いたいのでは決してありません

そんなのなるべくない方がいいに決まっています

「タバコは身体に悪いから吸ったらだめだよ」

と言われるとなぜか吸ってみたくなる

そして実際興味本位で吸ってみて

「なんだこれ!まずい!オエーー!」

となって学ぶように、愚かな行いを大切な学びの時間だと捉え直してみる

そしてここで大切なのが、“つながり”を持つことのような気がしています

つまり、僕がこれまでの愚かな行いを「変化や成長」に変えてこられたのは、

ありがたいことに、そこに人とのつながりがあったからです

人に支えられたり、語り合えることで気づきが生まれ学びになり、行動の変化につながりました

やっぱり“つながり”って大切です

傷つくことも多いけど

どんな自分でも、「それでいい」と言ってくれる

どんな失敗や間違いでも、「起こって良かった」という学びに変えてくれる

そんな存在が必要なのではないかと思います

実はこんな失敗や間違いをさせたくない支援者の態度が、患者さんの自立を妨げている、

そんなお話を次回させていただければと思います。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

     イロハニトイロ所長

          金村栄治